(立ち上がり、軽くストレッチをしながら)
晴矢「さぁて、これからどうする?気持ち切り替えんのも大事だろ?」
ヒロト「また練習する?シュートでも見てあげようか」
晴矢「お、いいじゃねぇか。俺のシュート、バッチリ見とけよ?」
(肩を回しながら自信満々に笑う)
晴矢「けど、ただ見るだけじゃつまんねぇだろ?お前も俺に勝てるシュート打ってみろよ。」
(軽くボールを蹴りながらヒロトを挑発するような目で見つめる)
晴矢「どうせ俺の方がかっけぇシュート決めるけどな!」
ヒロト「ゴールキーパーいて欲しいね。鷺沼呼ぼうか」
晴矢「お、いいなそれ。鷺沼なら文句言いながらも来るだろ。」
(スマホを取り出して鷺沼にメッセージを送る)
晴矢「『鷺沼、今すぐグラウンド来い。ヒロトのシュート止めてやってくれ』っと。」
(ニヤリと笑いながらヒロトを見る)
晴矢「ま、どっちのシュートもあいつじゃ止められねぇだろうけどな。」
ヒロト「可哀想なこと言わないの」
晴矢「おっと、悪かったな。あいつに期待しすぎちまったか?」
(軽く肩をすくめて笑う)
晴矢「ま、鷺沼の根性に期待ってことで。俺らのシュートを止める気概くらいは見せてくれるだろ?」
(軽く手を振って、ヒロトの表情を伺う)
晴矢「それに、可哀想だなんて思ってたら勝負なんてできねぇだろ?お互い全力でやらなきゃ意味ねぇさ。」
ヒロト「本当は円堂くん呼べたらいいんだけど。円堂くんが守るゴールを突破出来たら上等だと思わない?」
晴矢「たしかにな。円堂のゴールぶち抜けたら、それこそ本物だ。」
(腕を組んで少し考える)
晴矢「でも簡単じゃねぇよな。あいつ、どんな無茶なシュートでも止めてくるし。ま、だからこそ燃えるんだけどな。」
(ヒロトを見てニヤリと笑う)
晴矢「よし、今度会ったら頼んでみるか。『俺たちのシュート、止められるか試してくれ』ってな。」
円堂「ん?今俺の話題したか?」
(どこからともなくひょっこりと現れる円堂守)
ヒロト「えっ!円堂くん!?なんで?ワープできる訳じゃないよね?」
円堂「ん?そんなもん紋章術が使えれば誰でも出来るだろ?」
(唐突にファンタジーな力を披露する円堂に驚きが隠せないヒロト)
晴矢「おいおい、なんで円堂が急に出てくんだよ。しかも紋章術って、なんだそりゃ!」
(目を丸くしながら円堂を見る)
晴矢「てか紋章術とか普通に言うな!俺らサッカー選手だぞ!」
(一瞬黙って円堂をじっと見つめ、ぽつりと)
晴矢「……けど、そういうの、ちょっとかっけぇな。」
(すぐにヒロトを見て)
晴矢「ほら、言ってみろよ。ゴール守ってくれって頼むなら今しかねぇだろ?」
(からかうような笑顔でヒロトを促す)
ヒロト「晴矢、こういうの憧れるんだ……」
(気を取り直して、円堂に向き直す)
ヒロト「ってわけなんだ。俺たちのシュート練習に付き合ってくれないかな?」
円堂「おう!いいぜ!」
晴矢「はっ、やっぱり円堂、ノリが軽ぇな。ま、それが助かるけどよ。」
(円堂に向き直り、挑戦的に)
晴矢「覚悟しとけよ。俺とヒロトのシュートで、そのゴール、ぶっ壊してやっからな!」
(ボールを拾い上げ、軽くリフティングしてヒロトを見やる)
晴矢「さて、どっちが先に円堂を抜くか、勝負といこうぜ?」
(にやりと笑って挑発する)
ヒロト「じゃあ、先どうぞ」
円堂「さぁ!来い!!」
晴矢「おう!一発で決めてやっからな、見とけよ!」
(勢いよく助走をつけ、ボールを蹴り上げる。火花が散るようなエネルギーをまとい、全力のシュートを放つ)
晴矢「アトミックフレアッッ!!」
(炎をまとったボールがゴールへ一直線に向かう)
円堂「おおっと!来たな!」
(円堂は冷静に身構え、渾身の力でボールに飛びつく)
晴矢「取れるもんなら取ってみろよ!」
円堂「マジン・ザ・ハンド!!!」
(円堂の気が魔神を形作る。晴矢の強烈なシュートが魔神の右手、円堂の右手に収まっていく)
円堂「いいシュートだぞ!南雲!!」
(円堂は晴矢にボールを投げ返す)
晴矢「くっそ、やっぱ取られるか……!」
(悔しそうに舌打ちをしながらも、投げ返されたボールをキャッチする)
晴矢「……けど、止めたな。さすがだぜ、円堂!」
(軽くボールを足で転がしながらヒロトの方を振り向く)
晴矢「ほら、次はお前の番だ。どうせなら俺以上のシュート見せてくれよ、エースさんよ!」
(挑発的な笑みを浮かべながら、ヒロトにボールをパスする)
ヒロト「わかった。行くよ、円堂くん!!」
(ヒロトはボールを高く蹴りあげて舞い上がる。そして天から叩きつけるように強烈なシュートを放つ)
ヒロト「流星ブレード!!」
円堂「おおっと!来るか!!」
(空から放たれるシュートの威力を察し、円堂の目が鋭く光る)
円堂「ゴッド・ハンドV!!」
(巨大な黄金の手が円堂の手元から現れ、流星のごときシュートを受け止めにかかる。しかし――)
円堂「な、なんだと!?重い……っ!!」
(シュートの勢いに押され、円堂の足がわずかに後ろへ下がる)
円堂「まだだ!!」
(円堂は渾身の力を込めてゴッド・ハンドを押し返し、ついにボールを弾き返す)
円堂「ふぅ……さすがだな、ヒロト!けど、止めたぜ!」
(円堂がボールを拾い、ヒロトに向かって笑顔でボールを転がす)
ヒロト「やっぱり強いね、円堂くん。君とのサッカーは大好きだよ」
円堂「おう!ありがとうな、ヒロト!でも、まだまだ俺は止まらねぇぞ!」
(円堂はヒロトに向かって親指を立て、眩しい笑顔を見せる)
円堂「それにしても、ヒロトのシュート、やっぱすげぇよ!受け止めるたびに全力出させられるから、すげぇ楽しい!」
(円堂はボールを足元で軽く転がしながら続ける)
円堂「次はどうする?もっと打ってきてくれよ!俺ももっともっと強くなりたいからさ!」
ヒロト「晴矢、行きなよ」
(昨日の暗い表情が嘘のように、ヒロトは非常に明るい笑顔で晴矢に振り返る)
晴矢「ああ、行くぜ!」
(ヒロトの明るい笑顔を横目で見ながら、晴矢は少し驚いたように視線を逸らし、ボールを受け取る)
晴矢「円堂、次はもっと気合入れて止めろよ!俺の全力、受けてみろ!」
(ボールを力強く蹴り、全身の炎をまとったシュートを放つ)
晴矢「アトミックフレアァァァ!!!」
(シュートがまるで流星のようにゴールに向かって突き進む)
円堂「ゴッド・ハンド!!!」
(さっきよりも威力が上がったボールに、円堂も少し押し込まれる。しかし、止めきった)
円堂「やっぱりいいな!さっきより強くなってるぞ!!」
(円堂は楽しそうに嬉しそうに、ワクワクで目を輝かせながらボールを返す)
円堂「さぁ!来い!!」
晴矢「チッ、やっぱり止めるのかよ!」
(晴矢は悔しそうに歯を食いしばりながらも、ボールを受け取りに走る。その一方で、円堂の嬉しそうな様子につられてか、少し口角が上がる)
晴矢「上等だな、円堂!次はもっと上を狙ってやる!」
(ボールをヒロトにパスしながら、少しだけ振り返って)
晴矢「ヒロト、お前も全力で行けよ。アイツの手、マジで抜かせないようにな!」
ヒロト「うん。任せて!さぁ、もう一度行くよ円堂くん」
(楽しそうなサッカー練習が続く。その光景を先程呼ばれた鷺沼が遠くから見ていた)
鷺沼「一体自分はなんのために呼ばれたのだ……」
晴矢「ほら、ヒロト!次はもっと派手にいけ!あいつに俺たちの力、見せつけてやろうぜ!」
(遠くから見ているのはもう1人)
風介「楽しそうだね、晴矢……」
(風介は誰にも聞こえない声でぼそっと呟いた。そんな様子も知らず円堂、晴矢、ヒロトの3人は練習を続ける)
円堂「南雲!もっと!もっとだ!もっと来い!!」
晴矢「おう!もっと熱くしてやるよ!!」
(晴矢は勢いよくボールを受け取り、助走をつけると再び強烈なシュートを放つ)
晴矢「アトミックフレアァァ!!」
(全力の一撃を見せつける晴矢。その背中を見つめる風介は、拳を握りしめながら心の中で言葉を繰り返していた)
風介「……それでも、あんな奴が隣にいるのが許せない」
(一方、円堂はシュートを止めながら満面の笑みを浮かべ)
円堂「いいぞ、南雲!その調子で来い!!」
(ヒロトはその様子を見てニコリと笑い、ボールを手に取る)
ヒロト「じゃあ、次は僕だね。円堂くん、覚悟してよ?」
(3人の熱気に包まれる中、遠くから静かに見つめ続ける風介の影は薄暗い感情を孕んでいた)
緑川「風ちゃん先輩も混ざったら?」
(風介の後ろから緑川の明るい声が響く)
風介「……緑川か。」
(風介は振り返りもせず、少しだけ苛立った声で返す)
風介「冗談はやめろ。あんな奴と一緒にやれるわけがないだろう。」
(しかし、緑川は気にした様子もなく歩み寄る)
緑川「でもさぁ、風ちゃん先輩だってサッカー好きなんでしょ?はるるん先輩もあんなに楽しそうだし、ちょっとくらい素直になったら?」
(その言葉に、風介の拳がさらに強く握りしめられる)
風介「……お前にはわからない。あいつがどれだけ……」
(言葉を途中で切ると、風介は少しだけため息をつき)
風介「行け。私には関係ない話だ。」
(緑川はそんな風介をじっと見つめ、少しだけ困ったような笑顔を浮かべる)
緑川「まぁ、俺は誘ったからね。後で後悔しないでよ?」
(そう言い残して、緑川はフィールドに向かって軽い足取りで去っていった)
円堂「おっ!緑川!!」
(円堂が緑川に気付いてこっちに来いよと手を振る)
緑川「やっほーキャプテン。珍しいね、こっち遊び来たんだ」
円堂「おう!なんか俺とサッカーしたいって声が聞こえた気がして飛んできた」
緑川「ははっ!さすがキャプテンだ。紋章術って便利だね」
(紋章術の話についていけている緑川にヒロトは驚く)
ヒロト「ねぇ、晴矢。なんで?紋章術って普通なの?」
(こそこそと晴矢に問う)
晴矢「いや、普通じゃねーよ。つーか円堂の話に普通に乗っかれる緑川が異常なんだろ。」
(晴矢は少し呆れたように肩をすくめる)
晴矢「紋章術とか言ってるけど、あいつら絶対フィーリングで話してるだけだって。深く考えんな。」
(軽く笑いながらヒロトの肩を叩く)
晴矢「つーか、お前も紋章術使えるって言い出したら、俺もうついてけねーぞ。」
ヒロト「俺が超常の力を使えたのはエイリア石があったからだよ。今はそんなファンタジーなことできないって」
晴矢「だよな。」
(晴矢は少しだけ冗談っぽく笑って)
晴矢「でも、お前なら超常の力なくても十分すげーからな。ファンタジーとかなくても、お前がやることには俺もついていけねーくらいだ。」
(照れ隠しなのか視線をそらしながらボールを軽く蹴る)
晴矢「つーか、エイリア石とか懐かしい話すんなよな。あれのせいでどんだけ走らされたと思ってんだ。」
ヒロト「大変な日々だったねぇ……」
緑川「エイリア石なんて聞きたくないよ」
ヒロト「緑川がレーゼとして破壊の限りを尽くしていたのは面白かったよ。あまりにも普段とキャラ違って」
緑川「ちょっ、ヒロト!それ言わないでよ!」
(緑川は顔を赤くして手を振りながら否定する)
緑川「俺だってあの時は……なんていうか、仕方なかったんだよ!あのキャラ設定とか、今考えると寒気するし!」
(ぶつぶつ言いながら頭を抱える)
晴矢「ははっ、確かにな。レーゼの緑川とか、今のこいつからは全然想像できねーもんな。」
(晴矢は面白そうに笑う)
晴矢「でもまあ、あの時のお前の顔つき、ちょっとだけかっこよかったぞ?」
(軽くからかうように言いながら、緑川の肩をポンと叩く)
緑川「な、なんだよそれ!もう二度と思い出させないでってば!」
円堂「ははっ!お前たちって本当はすっげー仲良いんだな!」
晴矢「はぁ?仲良いとか冗談だろ、円堂。」
(晴矢はそっぽを向きながら腕を組む)
緑川「いやいや、仲良いって、俺、はるるん先輩に振り回されてるだけだよ!」
(半分本気、半分冗談で肩をすくめる)
ヒロト「でも、緑川も晴矢も、そうやって言い合いしながら結局一緒にいるよね。」
(ヒロトは微笑みながら、軽くボールを転がす)
円堂「ははっ!いいじゃないか!そういうのが仲間の良さだろ!」
(円堂は豪快に笑いながら、シュートポーズを取る)
円堂「よーし!次は緑川も混ざれ!お前のシュートだって受け止めてやる!」
緑川「おっけー。行くよ、キャプテン!アストロォォォ・ブレイクッ!!!」
円堂「来いっ!ゴッド・ハンド!!!」
(緑川の強烈なシュートが火花を散らしながら円堂へと向かう。円堂のゴッド・ハンドが眩い光を放つ中、シュートは手のひらに収まったものの、少し後ろに押し込まれる。)
円堂「くぅっ!…やっぱりすげぇな緑川!全力だったろ、今の!」
緑川「ははっ!さすがキャプテンだ。止めるんだもんなぁ。」
ヒロト「やっぱりすごいよね、円堂くん。でも、次は僕の番かな?」
晴矢「おいおい、どんどんレベル上がってくじゃねぇか。次はオレももっと本気でいくぞ!」
(遠くで見ている風介は、小さく鼻を鳴らしながら呟く。)
風介「まったく…これで楽しそうにしてるんだから、しょうがない奴らだ。」
ヒロト「円堂くん、次は決めさせてもらうよ。」
(ヒロトの目付きが変わる。どうやら本気になったらしい)
ヒロト「流星ブレードッ!!!」
(ヒロトの放つ本気の流星ブレードが円堂を押し込んでいき、ついには弾き飛ばし、ゴールを貫いた)
円堂「うおおっ……!?くっ……!」
(流星ブレードの勢いに耐えきれず、円堂はゴールごと弾き飛ばされ、ついには倒れ込む。その背後でネットが激しく揺れ、ゴールが貫かれたことを知らせる音が響く。)
円堂「や、やられた……!すっげぇシュートだな……ヒロト……!」
(円堂は倒れたまま、少し笑みを浮かべながら天を仰ぐ。)
ヒロト「ごめんね、円堂くん。でも、これが僕の本気だよ。」
(ヒロトは微笑みながら円堂に手を差し伸べる。)
晴矢「おいおい、ヒロト。ゴール壊す勢いで撃つんじゃねーよ。円堂もよく無事だな。」
緑川「さすがにこれはやりすぎだって、ヒロト……でもかっこいいな、あの一撃。」
円堂「ははっ!これくらいで文句言ってたらキャプテンなんてやってられねぇよ!もっと撃ってこいよ、みんな!」
(円堂はヒロトの手を掴み、力強く立ち上がった。顔には相変わらず負けん気たっぷりの笑みが浮かんでいる。)